沖縄鉄軌道計画検討委員会の推奨ルート決定
沖縄本島を那覇から名護まで縦に貫く鉄軌道計画。
沖縄県と内閣府からそれぞれ数パターンのルートで検討されていましたが、県が設置した有識者による「沖縄鉄軌道計画検討委員会」によって県の推奨案が決定いたしました。
今回決定した「C派生案」は、那覇市ー浦添市ー宜野湾市ー北谷町ー沖縄市ーうるま市ー恩納村ー名護市を結ぶコチラのルートになります。
正式には本年度内の知事発表を待つことになりますが、利用者数と採算性からいっても、このルート案が採用されることは間違いないでしょう。
では今回、内定した「沖縄鉄軌道ルート案はどのようなものでしょうか。詳細を見てみます。
沖縄鉄軌道(沖縄鉄道沖縄本線)ルートを「C派生案」に内定
県が設置した有識者による「沖縄鉄軌道計画検討委員会」では、かねてより挙がっていた7つのルート案(さらに浦添・宜野湾地区を国道58号線と国道330号線の案に分けられるので、実際には全14案)の中から「C派生案」の提案で決定しました。
この後、内閣府案との調整もありますが、豊見城・糸満線の有無を除けばほぼ一緒ですので、このルートで進められるでしょう。
沖縄鉄軌道「C派生案」とその他の案との比較。なぜ北谷・うるま・恩納ルートが選ばれたのか
沖縄鉄軌道のルートを検討する委員会では7つのルートを比較・検討が進められてきました。
この7つのルートの中で、どういった経緯で今回「C派生案」に決定したのでしょうか
検討を重ねてきた、沖縄鉄軌道7つのルート案はこちらです
上段、左から、A案、B案、c案、D案
下段 左から それぞれの案の経由地を一部修正した、B派生案、C派生案、D派生案
となります。
当初、有力視されていたC案の「瑞慶覧」から、発展の著しい「北谷」経由のC派生案に変更された形になりました。
ここに沖縄鉄軌道全7案の比較評価を掲載します。
主に検討された内容は利用者数と採算性/黒字転換年数でしょう。
予定される各主要駅の人口や観光客の数、商業地域や宿泊施設の数なども考慮されました。
利用者数では「C派生案の330ルート」、黒字転換年数でみても「C案」と「C派生案」が開業後、一年で黒字化(330ルートの場合)するとの数字が出ている事から、今回ルート選定委員会の決定の正当性が分かる事でしょう。
C派生案で決定しましたが、まだまだ課題は残されています。
この一年で黒字化するとの試算は、建設工事は国などの公共工事で行って、鉄道会社は鉄道運営に専念する「上下分離方式」による黒字化の目安です。
戦後、日本中に鉄道を敷きまくった「国鉄」の恩恵を沖縄は受けていない事からの沖縄からの国への整備要請になるのですが、今の沖縄の政治情勢でどこまで国との交渉が進められるのでしょうか。
今後の具体化は、来年度の内閣府などの政府機関との交渉次第となることでしょうね。